2021年5月・6月に読んだ、おすすめしたい本たち。
2021年5月と6月の読書記録。2ヶ月分をまとめています。
読んだ本たちのうち、おもしろかった、そして「おすすめしたい!」てある程度以上思えた本たちだけを記載しています。
以下に記載していくものとほぼ同じですが、こちらをクリックしてもらうと、Twitterでつぶやいていたときの結果も、ズラズラーっとした感じで見られますので、ご興味ある方はどうぞ。
(以下からのリストは、上記Twitterからさらにふるいをかけているので、冊数がTwitterのやつよりも少し減っています)
1、2021年5・6月に読んだBLコミック
八田てき『遥か遠き家』
正直、真新しさとか「すごい!」みたいな感動や、「すすす好きすぎる……っ!」みたいな興奮はなかったのだが、「どこにもいられない、すすめない」閉塞感や、そこからの絶望的な解放とか、大人の無責任なほどの無力感とか、無理解と理不尽が子ども・若者にもたらす影響とかが「わかる……」となる。そんな中で子どもたち2人が、相手に求めるのではなく、与えようとする切実な懸命さは、どうしてもグッときたりはします。
あとこの作品『BANANA FISH』のタイムラインで話題になっているのを見たので、BF好きな人で、響く人には響くのかもしれません。(とか書いてるけど、そう私も他人事ではないですね)
雨隠ギド『青年発火点』
何度読んでも可愛いです。先輩が基本別のこと考えてるの可愛いし、家族の水商売を認められない弟君への説得が、とても誠実で良いです。好き!!!
雨隠ギド『火傷と爪痕』
大人が自分自身ではどうしようもなかったことでもだもだして、でもそのもだもだにきちんとケリつけて進もうとする様子、希望があって好きです。
『青年発火点』『火傷と爪痕』と同じシリーズの最終巻。 実はこの1冊が一番好きです。特に後者2人の、もらった「最初」とあげる「最後」の話が絶品! 全部を仕切り直すと決めるのは怖いのに、やってのけた彼を尊敬します。
草間さかえ『地下鉄の犬』
「真ん中」だけを集めたお弁当、そう、それは愛だと思います。お弁当の美味しそうなBLは最高!!!!
(お弁当が美味しそうといえば、『恋するクラゲ』が筆頭ですね。大好き!!! そういえばこれも草間さかえさんじゃん 挿絵だけど!!!)
たじまことさんの作品は、本当に出てくる食べ物がどれも美味しそうで最高です。ご飯が美味しそうな作品は名作だって相場が決まっているんです。
2巻は、1巻ほどは「なるほど?! これ作りたい! 作る!」にあふれたレシピばかり、という感じでもなかったのですが、とはいえ……”土鍋が欲しい気持ち”への訴求がめちゃくちゃ強くて、私は今、土鍋が欲しいです。
いえ、土鍋が少し前から欲しかったのですが、欲しいの気持ちがさらに膨れ上がりました。
欲しい土鍋があまりお安くないので、忍の一字ではあるのですが……。
……という感じなので、土鍋が欲しい人は、気をつけて読んでください!
佐岸左岸『オールドファッションカップケーキ with カプチーノ』
評判が高い(?)のは『オールドファッションカップケーキ』本編の方と思うのですが、私は圧倒的にこちらの方が好きです。
「くっついた」後の、日常の積み重ね方の話。
私が「日常」を好む性だから、というのはあるとは思うのですが、佐岸左岸さんも「日常」描写に強い人だと思うんですよね。
なので『春と夏となっちゃんと秋と冬と僕』も私、大好きで……。
外川さんの友人2人含め、周囲の諸々が全部効いてて全部よい!
とっても良作。
読めて良かったです。ありがとうございました!!
野ノ宮いろ『はだしの天使』
とても好きです。
絵が綺麗、ストーリーが綺麗。静かで派手さは皆無で「天使」の設定に意味があるのかと聞かれたらないとも思うのだが、やさしく沁みて広がる作品。
素敵!
大好物!! となりました。好きですね。
作者さん、なんとこちらが初コミックだそう。作家買いしていきたい。
木山はる『それじゃあこれから何をする?』
大津くんの底がど抜けている、のに人間ぽくて、とってもよかったです!
しかし私が好きなのは、受けくんのお兄ちゃんと吉田。 吉田! 吉田です!
吉田メガネくんが好きですね!!! 吉田のスピンオフが欲しいです!!!!
この作品がいっぱい売れて、吉田のファンがいて、どうか吉田の話が出る未来が訪れますように……!
シリーズ3作目。
樹川さとみ『楽園の魔女たち』
リンクは1巻目までしか載せてないですが、2日で6冊目まで読了しました。中学生くらいの時に読んでいたものの再読です。
毎回言っている気もするのだが、ずぬけて「ここで終わるの!?」感が凄かった。続きの読みたさがすごい。いますぐ25巻が欲しい。
卓越した群像劇です。良質な群像劇、最高!!
これもまさに「卓越した群像劇」です。
1巻からずーーーーっと「不穏っ!」なのだが、主人公くんが現状、明るくてまっすぐなので、どうか不穏を蹴散らしてほしい。
相変わらず、じわりとした良作。
おおお、おもしろかった……!
これもまた、かわいい〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!
正直、展開がちょっとよくわからなくなってきました。
おもしろかったー!
めちゃくちゃ警戒して読んでいたのですが、私の認識が歪んでいなければ、なんとこれ、コメディです。
2、2021年5・6月に読んだBL小説
イーライ・イーストン『星に願いをかけるには』発売されてすぐ買って、積んでいたのですが、なんで積んでしまっていたんだっけ? と思いました。
とっても良かった!!!!
可愛いし、切ないし、ぶふっと笑えるし。犬好きの私は大勝利なシリーズですね。本作も良かった*^^*
タチ・ネコはそっちなんだ?! という驚きがあったのですが、リバの可能性も秘めている(ように見える感じだった)ので大好物の匂いが増しました。このままでももちろんいいですが!
「どうなるの?! 大丈夫?!」と思われていた色々が、案外あっさり解決して「解決しました」みたいな描写で済まされてしまうような感が、ちょっとあるのですが、私はそこに至るまでの過程とその描写を楽しみたいタイプなので問題ありません。
ラストがちょっと不穏でした。次作も楽しみ!
3、2021年5・6月に読んだBL以外の作品
つまり「あのラスト」までを知っているので、感慨深さがすごかった……!
当時はただおもしろく読んでいたけど、大人になって読むとまた感触が違いますね。
彼女ら若い人たちの成長と、その自発性に任せつつ自由を最大限尊重しつつ、大人は彼女らを守る立場にもある、みたいなところが盤石で唸ったり。すごい!
とても好きなシリーズです。
ただ、ただし、もう価値観がところどころで絶望的に「古い」です。
セクシュアリティや性に関するところが、MAJI de とってもYABAYな感じ。あとがきで「偏見はない」という釈明(?)がなされているんだけど、それがあることでますますヤバい感が強まっている、という。
20年以上前の作品かつ、ご長寿なシリーズなのでそれでも後半の方になったら、もしかしたら価値観も進んでいるかもしれない、とも思う。
7冊目以降も順次読んでいきたいので、そのへんも注視し続けておきたい。
久米田夏緒『ボクラノキセキ』24巻
あきづき空太『赤髪の白雪姫』24巻
はぁ〜〜〜〜〜好き〜〜〜〜〜!!
ツイッターで呟いていた自分の感想を見たら「なんっっっってところで終わってくれるんだ……続きが気になることボクラノキセキの如しだよ……」と書いていた。
ほんとそれ。
私はオビが好きで、ラジ王子が好きなのだが、ヒサメさんが最近素晴らしい上、エイセツさんとかいう可愛いすぎる人も出てきて大変です。リュウはめちゃくちゃかっこいいし!!!!
はぁ。大好きなみんなたちが、それぞれにみんな頑張っていて、素敵にプロフェッショナルで最高です。
『赤髪の白雪姫』はお仕事漫画だよね。
続きが楽しみ!!!
草間さかえ『魔法のつかいかた』4巻
でも主人公くんはかなり主人公くん的な不穏の中心人物というか……なんだよね。うう、こわいよぅ。
草間さかえさんの絵柄とストーリーが完璧にマッチしていて、本当に素晴らしいことです。
5巻の発売はまた数年後かもしれないけど、しっかりお待ちしておりますので……!
ソウマトウ『シャドーハウス』8巻
表紙の表情も色味も新鮮!
そして、おもしろかったー!!
あそこで彼女たちに、あんな風に会えるなんて全然思っていなかったので、やさしくて嬉しい。
彼女たちが本当に「優秀」であること、そしてあんなふうに引きちぎられて離されてもずっと「チーム」だったことが、こんなにも嬉しいかよ……!
とはいえ、もはやなにがどうなればどうなれるかも全くわからない。応援したい! 頑張ってくれ!
麻生海『の、ような。』4巻
絵柄と、描写もごくさらりとしていることもあって、展開に「盛り上がり感」がないのだけれど、それが!!! いいんですよ!!!
下手に盛り上げることのない温度感は、やさしさのようにも誠実さのようにも思う。
続きもゆっくりと待ちたい。
雨隠ギド『おとなりに銀河』1・2巻
雨隠ギドさん、BLもGLも異性間恋愛も、全部おもしろいから本当にすごいな……。
登場するすべてのキャラクターを愛してしまった。「誠実」を体現したような安心感もある。これはいいラブコメ!!
雨隠ギド『ゆらゆらQ』
圧倒的「カワイイ!」にあふれた作品。きゅうちゃんもかわいい、春ちゃんもかわいい、狼くんもかわいいし周囲のみんなもかわいいので、カワイイ祭りです!!!
巻末おまけマンガのあげパ、とってもよかったです*^^*
おがきちか『Landreaall』37巻
ちょっとだけ難しいな?!
それぞれのキャラクターがそれぞれにそれぞれらしい、のだけれど、その中でも変化や成長があって、1巻からずーーーっとそうした変化や成長を見守ってきた訳で、ちょっと感慨深かったです。
あとゴーグルなし六甲は少し幼く見えて楽しかった。
「おにぃ」モードのぶっちぎれDXくんも好きです。年相応になる感じがあるので。
オノ・ナツメ『BADON』4巻
「女たちの活躍がめざましい」としか言えない1冊。好きです。
そして、とっても驚いた1冊でもありました。リリーちゃん!!
リリーちゃん?!?!
リリーちゃんの肝の座り方がハンパでなくてかっこよかった!
年齢はちょっと驚いたんだけど、そういうことにしておくの、たしかに必要だよな。と思います。
でもこの年齢での「必要性」って、一定以上の社会・大人への信頼がないと成り立たないなとも思って、現在の日本が舞台の創作物では難しくなり得る……とも思ったのでした。倫理の底が抜けているので。
これは、こういう設定にしたら「この作品の読者には通じるはず」という信頼を預けてくれるような設定だったんじゃないかな、なども思ったので、我ら応えられる読者でい続けたいね……など考えました。
子どもは大人がまもらなきゃいかん。
沢村凛『ソナンと空人』全4巻
沢村凛さんのコメディ……??!
語義矛盾になりませんか。大丈夫だろうか。
なにせ『黄金の王 白銀の王』の心の傷が、多分一生癒えない深さにあるもので、3巻目の途中まで「絶対しんどい」「絶対やばい」って、警戒していたんですよ。
実際は、しんどいしやばいのはあっていたのですが、コメディでした。
いわゆる「冒頭で主人公が死!」→人智を超えた神的な不思議の力→「異世界で生き直し!」みたいなやつなのですが、沢村凛さんなので、当然そううまくはいかない。
まずは「言葉が通じない」「その国の生活様式の前提を共有していないので、言葉がわかってもやっぱり通じない」から始まる。
そして「前の生」からまっっっっっっっっっっっっっっっっっったく逃してくれないし、なんなら「逆流」が起きる。そして滅亡へ。……という、コメディです。
コメディとは……?
とても面白かったので、特に『黄金の王 白銀の王』で打ちのめされている人は読んでください。逆に気に入らなかったらごめん!
あと「いやコメディでは別にないでしょ?!?!」という感じだったらごめんなさい!!!!!!
※『黄金の王 白銀の王』は、2020年に読んだ非BL作品のうち、マイベストランキング1位だった作品です。
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