2021年2月に読んだおすすめしたい本たち

読書記録

2021年2月の読書記録です。

読んだ本たちのうち、おもしろかった、そして「おすすめしたい!」とある程度以上思えた本たちだけを記載しています。

以下に記載していくものとほぼ同じですが、こちらをクリックしてもらうと、Twitterでつぶやいていたときの結果も、ズラズラーっとした感じで見られますので、ご興味ある方はどうぞ。

(以下からのリストは、上記Twitterからさらにふるいをかけているので、冊数がTwitterのやつよりも少し減っています)



1、2021年2月に読んだBLコミック


sono.N『いとおしき日々』 


これはずるいでしょ……!
おじいさん同士のセックスシーンに触れて自分は何を感じたか、それがどう解されていくか、そういう体感まで突きつけられてしまって、感謝しきりです。
「BLっていいなぁ」を、ものすごく感じました。みんな読んでみて欲しい。 


博士『生贄のお勤めは、』 

セックスシーン満載の1冊なのだが、セックスよりブラッシングと肉球と石油と温泉、あとうどんがお布団に入ってくるシーンが印象深い。様子がおかしくてかわいい。ずっとなんかおかしいし自分の情緒? もわやになるんだが、かわいかったです。 


らくたしょうこ『雨上がりの僕らについて』(全2巻)(完結) 

「さらっとしてかわいくていいなー」とニコニコ読んでいたのだが、かわいくてかわいくてハッピーな上に、弩級のよく知るヘビーが横たわっていて震えた。
なにこれすごい なにこれ?

ずっとハッピーかわいくて、悲しくて苦しくて怖くて泣いた。でもずっとハッピーだった。じ、人生〜〜〜〜〜! という感じ。
子どもの身でああいう母親に乗っかられる恐ろしさ、すとんと硬直する感じ……わかる……となりました。
彼にはおばあちゃんがいてよかったけど、それで解決もしないんだよな。そうだろうな……。 

そして乗り掛かられるどうしようもなさもわかるけど、私はもう大人で親という立場なので、むしろあの母親のようになってしまうことが怖い。恐ろしくて仕方がない。
彼女と違い頼れる実家はないし、もし私が崩れたら義実家に頼もうとイメトレしているが、ちゃんとできるだろうか……とか、そういうことを考えながら読んでいたので頭が痛い。

しかし総じて、一貫してライトでハッピーでにこにこしていられる作品です。すごいね?
 ネガティブに浸ることを、させない強さ。すごい! 良き作品でした。作家買いします!!!! 


赤河左岸『果ての荒野でバカンスを』 

よかった。圧倒的によかった。
表題作が一番好きだが、ほかの2編もよかった。好き。大好き!!!!!!

赤河左岸『羽化(メタモル)』 

こちらもおもしろかったー。 
「モブ」と言えそうなキャラの背景にも、モブとして以上の印象強いコマを使ってくれてるのがいいなと思いました。モブをモブにしない作品、好きです。 


原作・菅野彰、漫画・二宮悦巳『毎日晴天!』 

超ご長寿シリーズ1作めのコミカライズなのだが、そうそうこんな始まりだった〜懐かしい! となりながらの再読。
ジリジリと進んで進化成長していくシリーズなのだが、振り返ればみんな、遠くまで歩んで進んでいた。(原作小説は19巻まで出ています) 感慨深い〜! 


S井ミツル『めぐみとつぐみ』3巻 

大好き!!!!
これは良きオメガバース。オメガバで、ギャグです。
めぐみくん苦労が絶えないね……がんばれ…… つぐみくんはほんと かっこよいかわいいの嵐! 好きになっちゃうよなー つぐみくんちのパパたちの話も大好きです!! 

秀良子『STAYGOLD』6巻(最終巻) 

ここにきてそんな?! そういう感じになると思ってなかったんですけど?! となったけれど、ここまでを冷静に思えばそうなっても当然、とも思ったり。
「女の子が好きなばっかりに魂の半身を失った」ままならなさを思ったり。 しかし甥っ子くんほんとかっこいいね! 10年……! 良作でした!


2、2021年2月に読んだBL小説

安西リカ『可愛い猫には旅をさせよ』 

かわいい! おしの話かと思えばエグい部分もあり、しかしやはりライトでハッピー☆ な作品だった。
小ぶりな***がぷるんぷるん、の描写笑ってしまった。
私の推しはオッド様です。オッド様の小説もssも浴びたい。


安西リカ『恋になるには遅すぎる』 

安心・安全・安定の安西リカさんだった!
あらゆる描写、感覚が「わかる」「知ってる」に溢れていて、圧倒的に生活感がある。すごい。
事件という事件が起きないのにこんなにもドラマがあるの、日常の彩りが鮮やかになるよ!


3、2021年2月に読んだBL以外の作品


穂積『さよならソルシエ』全2巻


再読。 やはりとても質量の高い作品。愛憎だけど、憎をしっかり見据えたからこそ、意思を持って愛で憎を塗りつぶした兄弟の話……。 「ゴッホ」の作品、見てみたくなるな。 

原田マハ『ゴッホのあしあと』 

おもしろかったー!
過去たしかにそこにあった、けれど今はもうないもの、今もまだ残るものを辿っていくというの、大河的ロマンだなぁ好き……となった。
あと私はほんとうに人物画より風景画の方が好きなんだなぁと再実感したりもした。 


まちた『ハルとアオのお弁当箱』(5巻まで販売中、以下続刊) 

お弁当がおいしそうだった!
お弁当、私は朝絶対につくりたくないタイプなのですが、食べるのは大好きです。
ご飯がどれもおいしそう&レシピが驚くほど簡単なのが多くてよい。
あと載ってるレシピの数も多い! 滋味深くて沁みる、これは名作です。

「日常的にあるし、日常的だからさらっとスルーされるけど、ちょっとしんどい……」みたいなものを、すごく丁寧に掬う作品。すごい。
 5巻は、主人公が「雑にクズい生き方をしたい」と吐露する点に大変共感しました。かわいい。


まちた『おはようとかおやすみとか』(全5巻) 

「いい感じだがそれほどでもないか……?」と思いつつ読み進めたのですが、追い上げがすごい。特に4巻ラストから5巻冒頭の一連、抜群によかったです。 
しかし親父、お前はダメだ。絶対に許さん。


藍本松『怪物事変』13巻 

紺ちゃんが自分のためにたたかうって、自分で考えて自分の気持ちで決めて立ってて泣いちゃった…… あなたはほんとうにすてきな子だよ……!
おいな様と夏羽くんの、自分のとこは自分で思って決めたらいいんだよ、というのもありがとう……! 


葦原大介『ワールドトリガー』23巻 

どぅわぁーーーーーで私も泣いた。そしてボーダー、あらためて恐ろしい組織だなと思ったし、漆間(推定)、とりまる(推し)、華子さんを見るに「経済的徴兵」という言葉も現実味を帯びてしまうおそろしさがある。おそろしい……。

ロイヤルな印象の強い1冊だったけど、ともあれ情報量である。情報量が多い!!!! そういうの好き!! 大好き!!!!
BBFパート2を耐え切れないほど求めているが、毎回「これ設定資料集ですか?」という量の情報をぶち込まれているので耐えます。アンケート結果ありがとう! 


たらちねジョン『アザミの城の魔女』3巻 

学園編はじまったのおもしろーーーっ!
大人も子どももみんなままならないけど、ままならない中で落ち着いて手を取ったりもしてやっていこうぜみたいな姿勢、泥臭く忍耐が必要でやさしい。好き。4巻も期待! 


びっけ『極彩の家』7巻 

よかったーーーこわかったーーー!!
家に「保護」されない子、ああいうリスクがある、というのをあらためて突きつけられてしまって恐ろしかった。家は本当に保護機関なんだな……そしてまた紅さんが心配。彼にも明るい景色が見えますように。 


鳥野しの『ボーイ☆スカート』 

男の子がただスカートを穿く話。 
男の子はただ穿くだけなのだが、周囲はそうでもいられなかったりする、その「そうでもいられない」との擦り合わせの話。

とても興味深く読んだし、ちょっと泣いちゃった。男女の「どうでもいい」友情もよい。

服装は暴力だ、という話が出てくるんだけど、そこから読める「マイノリティ」を異物扱いする群れの なんかどうしようもなさとかが……つら……となりました。

総合的に「好き」「良作」と思うんだけど、教授の部屋にいた「彼」は「彼」でいいのかな? とはちょっと思いました。「彼」は「彼」ではないように見えたけど……んん……。 


中田春彌『Levius』新装版(上下巻) 


おもしろかったし、とてもうまいのだろう。
画で魅せる、セリフで魅せる、構成で魅せる、の全部盛り。エグいしグロいと言える描写も多いのだが、ストーリーの過酷さ残酷さをさしおいて「美しい」という感想が出てくる。凄まじい。 

下巻の表紙になっている彼女が鬼のように強いのだが、物理よりなおメンタルが鬼強である。鬼ゴリラである。 彼女のあのセリフの真意が終盤にわかるの、うわぁーーーそうですよねうわぁぁぁぁぁぁっ となった。 

なお、2021年3月現在、地上波でアニメ放送中です。アニメのほうが「やさしい」のだが、原作には原作の、アニメにはアニメの良さがあるように感じています。 どちらにも触れて欲しい。


九井諒子『ダンジョン飯』10巻 

感情がぐるんぐるんにされてしまって、もうなにがなんだかどうなんだか意味がわからないカオスでおもしろかった! おもしろかったです!
ファリンちゃんかわいかったし、お腹すいてたのがいっぱい食べられたのよかったなって思っ、……(以下略)


中田春彌『Levius / est』9巻まで読了(以下続刊) 

一気に読んだせいもあり、風呂敷広がりすぎて意味わからん! ともなったのだが、次の10巻で完結とのこと。よくわからんままズルズル続かない潔さ。いいと思います。読むの楽しみ。
ナタリアとAJの友情〜!! ナタリアちゃん好き!


岩本ナオ『マロニエ王国の七人の騎士』5巻 

少しずつわかってきて、私は悲しくなってきてしまった。
岩本ナオさんの作品、いつもハピエンだが、いつもちょっも寂しかったりするのですよね。はぁ。好き。 

ひとりぼっちになっちゃいけないよって、あの子にも言ってあげてほしい。


額賀澪『タスキメシ』 

青春小説の頂点じゃない?!

「選ばれなかった」2人が、それでも選んで、もがいて足掻く話。
しんどくて、かなしくて、とってもとってもくやしくて、全てがつながって大きなうねりになって突き抜けて、でも、ゴールはとても静か。
見事。

辿り着けず、しがみついたその場所は置いていかれるところでしかなかった彼のことを、でも「置いていかれた」その瞬間まで、みんな愛して焦がれて意識して追いかけていた。
そのことを彼だけが知らない、というのもうまい。
彼はその点結局、みんなをぶっちぎっているのだ。

彼には彼の、彼女には彼女の「選ばれなかった」があり、恩としか言えないものがあり、共犯関係であり、彼女には彼も読者である我々も完全に「裏切られた」のだけど、こんなに「苦しいね、ありがとう」と言いたくなる裏切りある……?! ない! 私は彼女も愛している。


額賀澪『タスキメシ 箱根』 

冷たい冬の一筋の風といっしょに、鋭く断ち切るように締められた前作が、こんなに厳しいまま、こんなにやさしく応えてくれるなんて。

努力は人を裏切るけど、自分が努力を裏切らずにいることの、その意味みたいなもの。
愛おしいなぁ。好き!

前作『タスキメシ』が「救わなかった」一方、『タスキメシ 箱根』ではふいに報いが運ばれてきて、そのどちらともが、努力とは別の機序で動いているというのが、すごく誠実で一貫性あると思った。
努力を裏切らずにいた上での、全ては運である、みたいな。 

早馬が嫌悪を呼び覚まされてしまう要因として避けられているのも、あんなにも愛されているのも、どちらも好きだ。 もうさぁ、もう……魅力的すぎる。傑作です。


午後『眠れぬ夜はケーキを焼いて』 

Twitterで見かけて「すすすす好きぃ……!」となった漫画が本になりました。やはり好きでした。
夜はやさしいし、夜明けはときどき強くてこわい。という感覚が融解したような心地よさ。
あと私も良く作るレシピが載ってて親近感! 疲れたときでも読みやすいかも。
やさしい作品です。おすすめ!


額賀澪『さよならクリームソーダ』 

外から見たらどーでもないのに、本人にだけは絶え難い感情のひとつに「みじめさ」があると思ってるんだけど、額賀澪さん作品は吐きそうになるくらいそこに踏み込んでくるから怖いよ。
みじめなどうしようもなさを、そのまま描くの……怖い…… 
みじめなんかじゃない、こっけいじゃない、他者から見たら眩しさや尊さや強さに見えるかもしれないそれを、でも本人だけは耐え難くみじめに感じてしまうことはあって、それを抱えたまま付き合って生きていくのは 苦しいよなぁ……

この作品は、もう冒頭の1ページで撃ち抜かれてしまって(その後頭の方でダレつつも)一気に読んでしまった。
容赦なくバチっと断ち切られたり弾かれたりした、その先の「みっともなさ」を生きる話。
一切の容赦がないけど、やさしい。


宮下奈都『静かな雨』 

とてもおそろしい話だった。
表題含め2編収録。どちらも恋の話であり、パートナーとの生活の話。
ミステリーでもホラーでもないのだが、1話目はぞくりとするような、2話目は足元から冷えて震えるようなおそろしさが内包されている。おかしい。

1話目は絶品なたいやきをほおばる話で、2話目は生きる気力と勇気の湧いてくる豆と野菜のスープがかおる話だ。
そして恋と日常生活の話。
なのになぜこんなにもおそろしいのかといえば、まさに、それこそが日常だからなんだよな…… すごい作品だった。


あずまきよひこ『よつばと!』15巻 

泣いちゃった……
あぁーーーそうね、それね、その、向いてもないし自覚も何もだけど、するべきことしなきゃならんことしようと思えたことしてる中で、ふいに追いついてくれる瞬間に涙出るね わかる。はぁ。おもしろかった! 


以上、2021年2月に読んだおすすめの本たちでした。気になるものあったら、ぜひ読んでみてくださいませ。

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