2021年に読んだBLコミック、BL小説、非BL作品について振り返る記事


2021年に読んだ本の中から、なるべく厳選おすすめ。総まとめです。


読んだ本のうち、一定以上「おすすめ!」と言えるものの羅列はTwitterで見てもらえます。

「tiharu4happy 読了」とかで検索してください。

2022年は、Discodeで(も?)ログを残していこうと思っており、そちらすでに稼働を開始しました。

ご興味ある方いらっしゃいましたら、ここでのメッセージかコメントか、Twitterからリプかなんか飛ばしてご連絡ください。


ではさっそく、以下より振り返りです。


1、2021年は……中国語……!

2年前……違う3年前にアニメ『BANANA FISH』で福山潤さんが、一言だけだったんですけど、中国語で喋るシーンがあったんです。

それがとても印象に残っていて、「あ、私も中国語勉強したい」と思って、買っていたテキストがあったんです。

大学時代にもちょびっとだけ勉強していたので、その残りカスみたいな知識をかき集めて再勉強していたのですが、その時はほとんど三日坊主で。

それが、ここにきて再燃しました。

最初のきっかけは、映画『羅小黒戦記』。




これがめちゃくちゃ良くて……!
その後、この作品の本編であるwebアニメを見たり、400年前の前日譚である『藍渓鎮』というのを読んだりして、ずるっずるっと中国のコンテンツに足を踏み入れていた矢先のこと。

 
出会ってしまったんです。アニメ『天官賜福』に。
 


中国で、美人の黒髪少年青年で、CV.福山潤さん、ということでアニメ『BANANA FISH』を思い出したのをきっかけに試聴したのですが、これが、よくわからないのに惹きつけられる。
よくわからないけど、なんか好きだし、無料で原作の最初の章を読めたので「ちょっと読んでみるか〜」と、辞書と睨めっこしつつ、原作を読んでみたんですよ。

めちゃくちゃ……おもしろい……!
 
「いやこれ地獄、そして主人公は絶対にゴリラであるじゃん」
「いまアニメで提示されている感じをそのまま受け取ってはいけない。根底に途方もない、ブラックホールのようなド級のすごいやつを感じる」
って私のセンサーがアラーム鳴らしまくってきたんですよ。 

 それをきっかけに、「あ、前にアニメ見たけどよくわかんなかった『魔道祖師』って同じ作者さんなんだ。原作小説、あ、原語で買えるのね?」ということに気づき、読んでみて。
おもしろくて。
「あっ、なんかよく名前聞いてた『陳情令』ってこれの実写化なんだ?! アマプラにくるの?! オッケー見てみる!」
それもまたおもしろくて。

そこから広がる、中国のコンテンツの輪ですよ。
同じ作者さんの別作品とか、アマプラで見られる中国のドラマたち。
 


『琅琊榜』(ろうやぼう)が、とんでもなくおもしろかったです。
全54話を5日間で完走するという暴挙。
(しかも3週間で2周した)

※2021年12月31日現在、プライム会員は無料で視聴できます。




今はこちら、『三国機密』を見ています。これもおもしろい……!

※2021年12月31日現在、プライム会員は無料で視聴できます。  


そんな感じで、2021年の後半は、中国のコンテンツ三昧でした。
来年も親しみたいし、より親しむために、中国語の勉強も続けたいです。

『天官賜福』の原作小説も、最終5・6巻が来年、出ますしね。予約済みです。揃ったら読むぞー!
 
『天官賜福』も日本語訳版が出るそうなので、多分それも買うかな……自分の訳と照らし合わせながら読みたいので。
『魔道祖師』の日本語訳版くらい、原作に忠実で直訳みたいに真っ直ぐな訳だといいな……。


2、2021年に出会ったベストBL小説

ではまず、ベストBL小説なのですが。
    これはさーーーもうさーーー仕方ないですよね。

だって、生活がガラッと変わっちゃったんですよ。
中国のコンテンツを探すようになって、世界が広がった。料理を作りながら、音楽ではなく中国語のいろいろを聴くようになった。勉強のおもしろさも実感させてくれてる。
そういう楽しみの、わりと真ん中にある作品なので。

ありがとうございました。来年もまた読むね。

思えば今年は、中国のみならず、海外のBL小説をよく読んでいた気がします。





モノクローム・ロマンス文庫さんには、去年もいっぱいお世話になりました。今後ともお世話になります。
反対に、日本のBL小説はほとんど読んでない……な……?!
来年は読みたいです。


 

3、2021年に出会ったベストBLコミック

めちゃくちゃ悩みました……候補がいっぱいありすぎて……!

 
ソライモネ『僕らの地球の歩き方』が、マイベストです。

なんだろう……わりと「よくある」感じのストーリー展開、描写、とかな気はしなくもないのですが、キッチンで料理作りながら読んでて、ボロボロ泣いちゃった……。
世界は2人にやさしくあってほしいなって……。
なぜ2人が世界一周をすることになったのかとか、この2人てどういう人たちなのかとか。どういう人たちと出会って、どういうものを見て、知って、感じて、どう変わっていって、変わらずに抱き続けるものは何なのか。とか。
それが世界中の”異文化”との出会いと一緒に描かれていきます。
2人のことも、2人が出会う人たちも、みんな愛おしいよ。
2人が無事に世界一周できますように。


この作品以外でも、本当に、名作がいっぱいあって……!
名作代表といえば、やはりこれ。




中村明日美子さん『同級生』シリーズの、完結2冊。
完璧です。

あとは、『オールドファッションカップケーキ』で有名な、佐岸左岸さん『春と夏となっちゃんと秋と冬と僕』とか。
 
生まれて初めて単話版から購入してしまった、ユノイチカさん『夜明けの唄』とか。

灼『ハレとモノノケ』も好きでした。 山の自然と人の生き死に、日常と非日常と、行間を読む自由読まない自由、「寂しさ」の価値……そういうものが渾然としていて。


まりぱか『みのりの森』は、最後までベストにするか悩んでいた作品。ベストに入れなかったのは……正直、タイミングだけだった気がします。
『僕らの地球の歩き方』の方が最近読んでたから、印象に強かった。だけ。かも。

「日常が続いていってしまう」から「抱えて一緒に歩く」ことしか選べなくなってしまった人たちが、それを選ぶ話。
悲しくて悲しくて仕方がないし、どちらのこともわかってしまうような心地になる部分もあって、怖かったり。


のばらあいこ『寄越す犬、めくる夜』も、最終巻が発売されました。

三者三様にクズな3人の、地獄の泥沼アンダーグラウンドが、まさかさぁ……こんなに光ある最終回になってくれるなんて、本当に思わなくて。私は感動したんですよ。作品にもだし、でも多分それ以上に、こう、
光を見ることとか、見えた光に憧れることとか、それを無謀にも掴もうとすることとか、偶然にも掴めてしまうこと、そのために無駄であっても足掻くことを、全部バカにせず肯定してくれるような作品の視線に。 


赤河左岸『果ての荒野でバカンスを』も、好きでした。
好みの話ですが、特に、表題作が。
表題作が。最高に大好きでした……っっっ!


あとは、『兎の森』とか『ブルースカイコンプレックス』とかの新刊も、それぞれ良くて……。



『はだしの天使』とか、『雨上がりの僕らについて』もよかったです。
初読み作家さんだったのですが、今後は作家買いしていこう……って思いました。
 



4、2021年に出会ったベスト非BL小説

これもすごく迷ったのですが、ベストはこの作品にしました。


深沢仁『英国幻視の少年たち』、全6巻です。
作中では、妖精にとってはとっても「甘い」感情、として表現されているのですが、ずーーーっとずーーーっと、根底に”寂しさ”の流れている作品でした。

寄る方なさを否定せず、それに寄り添ってくれるような。
湿度が低く、淡々とした筆致の作品なんだけど、それがやさしく、沁みるのです。
そういうところは、山中ヒコ作品とも似てるかも。

スコーンとか紅茶とか、ケーキとか、主人公くんがいつも作っているんだけど、それもおいしそうでよかったな。

あと、特に印象に残っている良作といえば、河上朔『声を聞かせて』。


これも”さみしい”作品かも。

ヒリヒリして、しんどくて、されてきたこと・自分がしてきたことに向き合う苦しさがあって、でも、やっぱりやさしい。
「概念・ライ麦畑をアウトリーチ」という作品だな……と、読んだ直後のメモにありました。その通りだと思います。
テーマにブレがなく、またラストでタイトルに還ってくる構成も見事で、そういう意味でもとても心地よい作品でした。読後感が良い!

そしてこれは再読なのですが、『タスキメシ』。
メンタルをぶん殴られて救われるような心地を味わわされて
「最高! 最高! ありがとう!!!!!!」
「多分私はこういうキャラクターを一生推すんだな。努力に何度裏切られても、努力し続けることをやめずにいられる人は本当にかっこいいし尊敬します」
みたいな気持ちを再確認させられたりしました。



森絵都『ラン』の、シリアスなんだかコメディなんだかホラーなんだかもわからないまま、手のひらの上でグルングルンされて、気づけば感動でボロボロ泣かされている……みたいな読書体験も良かったです。

森絵都さんは、言葉選びの温度感も大好きです。
ホラーだったはずの展開が慶びになり、受け入れ乗り越えられることが前提とされていく流れが……。厳しさと強さと、そう、ともかくそこに慶びもともにあるというのがいい。



そして、これは小説ではなくエッセイなのですが、森下典子さん『いとしいたべもの』も、大好きでした。
オール”たべもの”をめぐるショートエッセイ集なのですが、「エッセイってこんなにおもしろかったんだ……?!」って、大興奮しながら拍手喝采する心地を堪能できる読書体験でした。




読んだ非BL小説(等)は、だいたい全部「ヒット! 好き!」だった今年ですが、今年はこれもともかく、読んでいる数が少なかったです。
来年はもうちょっと読めたらいいな。
 


5、2021年に出会ったベスト非BLコミック

これも本当に迷ったのですが、ベストはこちら。



高松美咲『スキップとローファー』。
ほのぼの、しっとり、ハッピー、日常をつづった群像劇です。
私はこういう、モブがモブで終わらないような群像劇が大好きなんです。
広く読まれてほしいし、中学校とか図書館のヤングアダルトのコーナーとかにも置かれていてほしい。続刊にも期待!

『メタモルフォーゼの縁側』とか、『作りたい女と食べたい女』とか、シスターフッドに属するのか? という作品も、わりに堪能した気がします。
特につく食べの方は、「こういうのBLではよく見た、ような気がするけど、GLでは私見たことなかったな……(GL自体をほとんど見ないせいな可能性は高い)」と思ったり。




年末に読んだ『あかねさす柘榴の都』も、とっても好きでした。初読み作家さんで、もしかしてデビュー作ですか……?!
ストーリーがいい、絵もいい、雰囲気もいい、構成もいい、それらのバランスもいい、という、いいことづくめな作品で、漫画としての……技巧……? も、すごいのでは……? と思いました。単に、私の好みだというだけではなく。
単に好みとして言っても、とっても好きです。


好みで好きといえば、この5作。










どれもいい感じに続いてくれることを願います。

「味がある〜〜〜いいなぁ〜〜〜」みたいにしみじみしたのは、この2作。





どちらも”たべものモノ”といえばそうか……?

前者は、他者とのかかわりの中で変化していく自分と、それとの向き合い方みたいなものを描いている作品。一方後者は、自分の中に自分を探しにいくような、見つけた自分をあらためて抱きしめるみたいな、そういう作品。
自分を基点としているんだけど、どうにも向きが違う感じ。でもどっちも、読んだあと、自分のこと大事にしてあげてもいいんだよなぁみたいなことを、ポンっと考えついたりする不思議。


読後感、で印象深いのはこれ。


クライムサスペンスの体裁をとった、群像劇。
テイストは全然違うんだけど、『Artiste』好きな人にはおすすめしたい。

「あいつとの友情は金で買える」と噂されているマイノリティ青年と、かつて冤罪で被疑者を自死に追い込んでしまった後悔を抱えた刑事の、変形バディもの。
青年が、ロンドン市長が刺殺された事件の冤罪を被せられたことをきっかけに刑事と出会い、一緒に事件の解決を目指すのだが……? ……という感じの話。
犯人の予測を立てることを楽しむ推理ものとは違うので、そういう期待をして読むと、違うかも。でもおすすめしたい。
全3巻、サクッと読めます。
読後感があと引く感じで、いいです。


6、2021年最後に読む本と、2022年最初に読む本

今年最後に読むコミックは、ツイッターで見かけて即買いしたこちら。


「なんか少年が編み物する話だな?!」という以外の情報を持っていないのですが、好きな気配がとってもします。

最後に読む、そして読みきれないに決まっているので、必然的に来年一番最初に読むことになる小説は、こちら。



いい読書おさめ&びらきになりますように。


以上です!

私にも、皆さんにも、来年もよき本との出会いがありますように。 






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